神戸大阪通関貿易教育研究社 本文へジャンプ
Top > 合格体験記 > 第50回通関士試験


第50回通関士試験 合格体験記


平成28年度 第50回通関士試験に合格された方の合格体験記を掲載中です。

今後の学習や講座の受講等の参考にしてください。

通関士 合格体験記  H.Yさん 兵庫県宝塚市 20代 女性
(1年目:通関士総合講座(第2ステージ:ロングコース)、
 2年目:通関士総合講座(第2ステージ:ロングコース))


                                              

私の合格体験記



私が通関士試験を受験した理由は、勤め先で奨励されているためです。

働きながらの勉強は学生の頃と違い、苦しいこともありましたが、同時に得るものも多々ありました。

自分が得たものの中で、通関士試験を志される方にお伝えしたいことは3つあります。


@    授業で当てられたら、必ず答えること

   授業で問題演習をしたら、先生に答えを求められる場面があると思います。
   その時は、必ず自分の出した答えを発表してください。
  時間が足りなくて答えが出せていない時は仕方ないですが、
  たとえ自信が無くても答えがあるのであれば、先生の問いかけに答えてください。

   理由は2つあります。
   1つ目は「ただ座って先生の講義を聞いているときの脳の活動は、
  眠っているときと同じ」だからです(『「勉強ができるぼく」のつくりかた』
P19)。

   せっかくお金と時間を使って授業を受けているのですから、
  眠っていないで積極的に授業に参加しましょう。沈黙は損、です。

   2つ目は自分専用の解説が聞けるからです。
   特に自分の回答が間違っていた場合、
  先生はどこでどう間違えたかを、
  丁寧に解きほぐしてくださるはずです。
  それは万人に向けられた問題集の解説とは違う、
  自分のためのオートクチュールの解説です。
  こんなに貴重な教材は他にありません。

   「間違えたら、恥ずかしい」かもしれませんが、
  「感情が盛んなときはものごとがおぼえやすい」
  (『受験脳の作り方』
P93)ので、
  この際、恥ずかしいという感情を利用しちゃいましょう。



A    通関実務を攻略するには

   通関業法や関税法をとばして、どうして通関実務なのか。
  それは、この科目の回答方法が多種多様だからです。
  通関業法や関税法の回答方法に個人差はあまり無いと思われますが、
  通関実務は問題を解く順番からして様々です。

   攻略の方法は人それぞれでしょうが、
  一例として参考にしていただけたらと思い、
  この章をもうけました。


*問題を解く順番と時間

   私は次のような順番、目標タイムで問題を解いていました。
  上から時系列です。

    第3問〜7問 語群選択(複数)…5分
    第8問〜12問 計算問題…10分
    第13問〜17問 語群選択(択一)…5分
    第1問 輸出申告…20分
    第2問 輸入申告…30分
    見直し(主に輸出、輸入申告。時間があれば計算、語群選択)…30分

   なぜこの順番にしたかというと、
  回答時間が予想しやすい、
  解きやすい問題から解いていたためです。

   語群選択は自信が無くても回答はできますし、
  計算問題はスピード命ですから、
  さくさくと終わらすことができます。

   しかし、申告問題は回答時間の予測が立てにくいといえます。
  問題との相性もありますし、
  輸入申告の計算で見たこともない条件を提示され
  パニックを起こしてしまうかもしれないからです。
  申告問題に時間がかかり過ぎたあげく、
  語群選択と計算問題が解けなかったという事態は避けなければなりません。

   また、第49回の試験では試験中に申告問題の訂正が発表されるというハプニングがあり、
   第1問から順番に解いていた私は申告問題をやり直すはめになり、
  合格することができませんでした。

   もちろん、試験中に問題が訂正される可能性は申告問題に限ったことではないので、
  私の考えた順番が絶対とはいえません。


   次にタイムですが、
  問題を解く度に時間を計り、
  おおよその平均値を出しました。
  タイムのふり幅の小さい語群選択、
  計算問題から決定し、
  その次に見直しの時間を決めました。
  見直しの時間30分は、
  全ての問題を見直した時間がこのタイムでした。

   申告問題はタイムのふり幅が大きく、
  先にタイムを決めることができなかったので、
  残りの時間で割り振り、計算がある分、
  輸入申告を10分長くしました。

   ただ、実際には申告問題を50分で終わらすことは難しく、
  見直し時間も使うことが多かったです。


*1問1問を大切にする!!

   関税法だと、
  「最初の穴埋め問題で稼ぐから、語群選択はそこそこでいい」、
  「外為法は捨てた」という考えが通用するかもしれません。

   私は関税法も得意ではなかったので何とも言えませんが
  (平均得点率は
60%70%)、
  これだけは言えます。

   「その考えは通関実務には通用しない!」
   私の場合、申告問題がほぼ満点、
  もしくは輸出入あわせて10点以下、
  という2パターンしかありませんでした。
  申告問題が10点以下の場合、
  語群選択、計算問題がとても重要になってきます。
  つまり、捨てられる問題がありませんでした。

   なので、申告問題はもちろん、
  計算問題、語群選択に至るまで、
  過去問をきっちりと研究されることをおすすめします。



B    勉強法アラカルト

   私が試して効果があった勉強法、イメージトレーニングをご紹介します。

*ふせん勉強法

   ご存じの方も多いと思いますが、
  名前のとおり、ふせんを活用する勉強法です。

   方法は簡単で、
  大きめのふせんに覚えたいことなどを書いてノートに貼っていくというものです。

   メリットはノートに直接書くのとは違い、
  並び替えが簡単なことです。
  デメリットはふせんの管理が必要なことです。

   この勉強法は本も出版されているので、
  興味のある方は一読されてもいいかもしれません。


*試験当日、合格した自分をイメージする

   勉強していると不安になることがあると思います。
  「不合格だったらどうしよう」、
  「先生は「〇〇さんは大丈夫」って言ってくれるけど、
   ほんとかな」(斎藤先生、ごめんなさい)。

   そんな時は、勉強の合間に試験当日のことを具体的にイメージしてください。
  「朝は6時30分に起きて、
   服はグレーのTシャツにジーンズ、
   朝ごはんはパンにヨーグルト。
   8時の電車に乗って、
   坂道を15分歩いて8時40分に試験会場に到着。
   9時30分からの通関業法は8割得点して…」
  という感じです。
  そして最後は必ず、
  合格した自分を想像してください。
  「11月〇日、通関士試験に合格。
   家族や会社の人からの「おめでとう」の言葉。
   早速、斎藤先生に報告すると、
   合格体験記の執筆依頼が。
   今は読んでいる側の合格体験記を書く側になっている」
  というように。

   不安が和らぎますし、
  試験当日の緊張も小さくすることができます。

   なお、イメージしやすいように、
  試験会場の下見を強くおすすめします。

  (参考『勝負の日に「最高の私」になる30日レッスン』P172


   最後になりましたが、
  きめ細やかなご指導をしてくださった斎藤先生に感謝申し上げます。
  特に計算問題と申告問題の解説は、
  どう考えて間違えたのかまで踏み込んで解説してくださったのが、
  とても嬉しかったです。


  2年間、ありがとうございました。





神戸大阪通関貿易教育研究社からのコメント



H.Yさん

合格おめでとうございました。

H.Yの合格体験記を読んで最初に感じたことは、
どの合格体験記もたいへん気持ちがこもった素晴らしいものであるのですが、
H.Yさんの体験記はその中でも特にすごいということでした。
なかなかここまでの文章を書けるものではありません。
これまで経験したことを細かく分析して
大変によく考えられた素晴らしい文章であると思います。
合格に必要な教材の案内はよくあることですが、
それ以外の参考図書は大変参考になります。
通関士試験は本番でいかに平常心を保って
受験できるかが勝負の決め手になることが多いので、
H.Yさんのおすすめ書籍は
今後の受験生にも役に立つものと思います。
また、これまでにH.Yさんが苦労された状況が
よくわかる文章も非常に優秀です。
今後受験される方に大変参考になると思います。

実はH.Yさんは
弊社へお越しになられる前より学習をしており、
弊社へお越しになられた時には既に完ぺきに近い知識をお持ちでした。
もちろん弊社テストでは常に上位でした。
同じクラスのだれもがH.Yさんの合格を疑わず、
私も当然にH.Yさんなら余裕をもって合格されるものと思っておりました。
しかし、
本番では何が起こるかわからないものです。
H.Yさんの合格体験記にもありますが、
国家試験ではあってはならない誤植及び途中訂正などの混乱。
さすがのH.Yさんでもこのようなことをされては
合格できなくても仕方がなかったものと思います。
ですが、
その翌年も弊社へお越しいただき、
本気を出して勉強されたのは8月ぐらいだったようですが、
これまでの蓄積がありますから、
当然合格。
H.Yさんには不安もあったと思いますが、
私は1年目も2年目もH.Yさんの合格を疑うことは全くありませんでした。
それほどよくできておりました。
もちろんすべてが完ぺきではないのですが、
この試験はそれで全く問題ないので、
抑えるところはしっかり抑えて学習していた
H.Yさんは本当によく自己管理ができていたのだと思います。

2年間本当にお疲れさまでした。
しばらくは休まれるかもしれませんが、
また何かにチャレンジしてみてください。
H.Yさんなら望めばどんなものでも合格できると思います。
本当におめでとうございました。






合格体験記一欄へ戻る


トップページへ戻る